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特集 伝統の里山を未来につなぐ 黒川まちづくり推進協議会は、平成18年、住民が主体となって、まちづくりを進めることを目的に設立されました。 少子高齢化の勢いは止まらず抱えている課題は解決できていませんが「日本一の里山」とメディアに取り上げてもらえる今が最後のチャンスと捉え、若い世代の人材育成やまちづくりを担う人材発掘に取り組まれています。 「黒川の人口は減少傾向ではあるけれども、何よりの救いは交流人口(黒川に訪れる人)が増加傾向にあること」と、協議会事務局はお話しされました。その理由は、「7回目を迎えた黒川里山まつり」と答えが返ってきました。 地元住民、森林ボランティア、そして企業や行政と共に協力し、黒川を訪れた人が「日本一の里山」を感じてもらえるようにと趣向を凝らしたおまつりです。まつりで黒川の魅力に触れた人が、リピーターとなり「黒川ファン」が増えているそうです。 川西市の小学校4年生を対象にした里山体験学習の効果も大きいところです。 子どもたちが黒川の住民から黒川の歴史や里山、そこに生きる草木や昆虫、動物などについての話を聞き、里山を散策して自分の手で触るなどして、野外活動を体験し、古き良き伝統が残る黒川を体感する人気の里山体験学習です。 これ以外にも、菊炭の伝統を守る今西勝さんの存在や、森林ボランティアとして「黒川・桜の森」を整備し、「微笑み桜」と命名された立派なエドヒガンを蘇らせた菊炭友の会のみなさんの努力が、黒川の魅力を高め訪問者の増加につながっています。 このように、黒川は多くの人に支えられています。 「今後は、黒川を訪れてもらった人にはたらきかけ、地産の農産物を買っていただければ、少しでも活気づくのでは︙」と、事務局は話します。早急にその仕組みづくりが必要となっています。 集落の人口が減少し地域力が低下するなかで、次の世代にどうバトンタッチするか、それが大きな課題になっています。 黒川を継続的に好きになって応援してもらえるよう、観光ガイドの養成を含めたファンづくりにも取り組んでいく必要があると、事務局は未来に繋げる日々の活動に力が入っています。子どもたちの思い出となるフィールドに黒川まちづくり推進協議会︙p.11 hitosato vol.3黒川里山まつりの様子里山体験学習の様子

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