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p.15 hitosato vol.3里山を守る貴重な湿原を  みんなで守ろう!地域の宝物生き物たちの  パラダイス湿原は生物多様性が高い!CHECKCHECK 丸山湿原の代表的な生き物たちを紹介します。 植物はサギソウ、トキソウ、カキランなどをはじめとする美しい花が見られます。 昆虫で代表的なものは、体長が2cm程度と日本最小のトンボであるハッチョウトンボやヒメタイコウチ、ヒメヒカゲなどです。 兵庫県下の湧水湿原では、湿原面積が大きくなるほど、湿原特有の生植物の出現種数が増加する傾向があります。 丸山湿原は、下記の表にあるように湿原面積が県下で最大、湿原生植物の出現種数も最大であり、県下にある湧水湿原の中でも極めて重要な湿原であることがわかります。ハッチョウトンボサギソウ 湿原には湿原特有の植生が成立し、そこでしか見られない生き物がたくさんおり、地域の生物多様性を維持するうえで湿原の保全は非常に重要です。 しかし、燃料革命以降、湿原及びその集水域の里山林が燃料や肥料などの供給源として利用されなくなって放置されると、里山林が発達して、樹木が湿原内に侵入し被陰(日照条件の悪化)や集水域の樹木が繁茂しました。これが蒸散量の増加に伴う乾燥化(涵かんようすい養水の減少)を招き、湿原面積の縮小と生物多様性の低下につながります。 このような湿原の課題解決には、かつての里山林の利用に学び、湿原及び周縁部における樹木の皆伐や里山放置林の間伐などの植生管理を行②③丸山湿原は、生態系の貴重性を示す「兵庫県版レッドデータブック2011 生態系」において、「規模的、質的にすぐれており貴重性の程度が最も高く、全国的価値に相当するもの」として、Aランクに指定されています。湿原生植物の出現種数と湿原面積の関係う必要があり、丸山湿原ではこのような植生管理を平成18年より実践しています。 その結果、湿原面積の拡大や湿原生物の多様性が向上するなどの効果が見られました。 現在、丸山湿原では学識者、地域住民、関係行政機関などが連携して丸山湿原の保全と利活用を進めています。0102030405010100100010000湿原面積(㎡)湿原生植物 出現種数丸山湿原丸山湿原の規模や種多様性は県下でもトップクラス!

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