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薪炭商という家業を未来に 約20年前、農業の閑散期に炭を焼いていた農家は30軒ほどありました。 しかし、石油・ガス・電気を使うようになって、炭を使う機会が減っていくと同時に、炭を焼く農家も一軒、また一軒と少なくなっていきました。 そんな状況のなか、黒川で唯一菊炭の生産を守り続ける今西家。炭焼きを生業とし、家業「薪炭商」として、代々受け継いでこられました。 今西家の当代である今西勝さん。今年で75歳。この年齢になっても勝さんが今もなお炭焼きを守り続ける原動力はどこにあるのでしょう。勝さんは「それは、お客さんの存在にある」と言います。「お客さんから届く手紙や年賀状に書かれているお礼や喜びの文字一つひとつを見るのが楽しみ。この上ない、やりがいになっている」と。それゆえ「菊炭」のブランドに傷がつかないよう、何よりも神経を尖らせているのです。 菊炭を守るには、里山を整備し、良質のクヌギを育てることが重要です。 しかしながら、炭の日常的利用が減った今、生業として炭を焼き、さらにクヌギ林の整備をするとい黒川で唯一の薪炭商を営む今西家。時代の変化とともに、次々と炭焼きをやめ、山仕事をやめていく人が増える中、なぜ、今もなお薪炭商を一家代々で受け継いで行くのか。hitosato vol.3 p.4 今西家の炭窯から煙がたなびく黒川の風景

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