ひょうご北摂里山の持続的な保全と地域の活性化を目的とする北摂里山博物館構想の策定から13年。「北摂里山フォーラム2024」では、構想を推進するために取り組んできた活動をふりかえりました。、110名が参加した開校以来、北摂里山大学で講義を続けてこられた服部保学長「里山と日本人のこころ」をテーマに語る岩槻邦男氏詳しくはホームページをご覧ください東京大学名誉教授、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長岩槻 邦男兵庫県立大学名誉教授、北摂里山大学学長服部 保22北摂里山大学は、里山放置林管理や生物多様性、植生と歴史・文化を学ぶ市民講座です。2012年に開校し、受講生の総数は約400人となりました。「開校の背景には、里山放置林が全国的に問題になる中で、黒川という400年持続する伝統的な里山が存在していたことが大きい。また、兵庫県が里山放置林管理を積極的に進めてきたこと、里山林管理を行う市民団体の活動が先進的なこと、そして日本一の里山以外にもブナ林、台場クヌギ、絶滅危惧種のエどの多様な自然があることが、里山大学が開校し、継続してきた理由」と服部学長は語ります。また、「北摂里山大学が活性化できたのは、OB会が自主的に誕生し、大学を支援してくださったこと、市民団体の協力体制があることに依っている」と強調されました。最後に、「現存する里山の実態だけではなく、弥生時代以来の里山の動態という歴史的な変遷過程を調査した上で、里山放置林の管理を生物多様性保全、児童の体験学習、防災などの視点から講義を進めてきた。将来の里山のあるべき姿をこれからも考えていきたい」と結びました。ドヒガンの群生、丸山・松尾・皿池という湿原や、猪名野笹原な然は対等であり、対等のものに畏敬の念を払うことが共生の考北摂里山博物館の立ち上げに関わり、現在も精力的に活躍されている岩槻邦男氏が「里山と日本人のこころ」をテーマに登壇。「里山は日本人のこころの形成において重要な役割を果たしている」「奥山・里山・人里という地域区分を創り、人が自然と共生する生き方を育ててきたのが日本人のこころのつくり方だった」と岩槻氏は語ります。1960年代のエネルギー革命以降、里山の荒廃とともに日本人のこころが荒廃していることが大きな問題だと指摘。人と自え方につながると説きました。また、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という言葉が広く使われる一方で、「植物福祉」が議論されていない現状に疑問を呈しました。江戸時代の日本の園芸文化が世界に誇る多様な品種を生み出したことを引き合いに、「植物にも生がある」ということを感覚として捉えており、それが人と自然との共生という生き方につながったと強調します。さらに、2024年11月に秋田県で熊がスーパーに侵入した事件を例に挙げ、里山が放置されたため熊が里山を自分たちの領地とし、人里に降りてきて食べ物を求めるようになったという現実にふれました。秋田の話題としてではなく、自分の話題として考えないといけないと話されました。最後に、「北摂は里山の標本のようなものを維持しており、そのことをもっと自負していい。里山大学OB会の活動がその輪を広げている。北摂里山から『里山』の意味を世界に展開するきっかけを作っていただけると、北摂里山博物館の創設に関係した者として非常にうれしい」と結びました。講演北摂里山大学について基調講演里山と日本人のこころ13年後の北摂と地球ーラム2024
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